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2025/12/23

施工管理とは何か?内装工事をスムーズに進めるための基本と役割

施工管理について学ぼう。施工管理の仕事内容や年収、メリットややりがいなど詳しく解説

施工管理は、どの工事においても必要となる、重要度の高い仕事です。
工事を依頼すれば、施工管理の方と顔を合わせる機会がほぼあるため、どのような仕事なのかと興味を持つ方は多いでしょう。
もしくは、見積もりに記載された施工管理という項目を見て、気になった方もいるかもしれません。
この記事では、施工管理とは何か、その業務内容や求められる役割、やりがいやメリットなど、施工管理について詳しくご紹介します。

 

目次

    1. 施工管理とは?
    2. 施工管理の業務内容とは?
    3. 施工管理に求められる役割や能力
    4. 激務といわれる施工管理がなぜ選ばれる?やりがいやメリット
    5. 内装の施工はTOMITA株式会社におまかせください

 

施工管理とは?

施工管理とは一体どんな仕事なのか?基本データを解説
まず、施工管理がどのような仕事なのか、基本的なデータを見ていきましょう。
ここでは、施工管理の役割や平均収入、現場監督との違いや関連資格などについてご紹介します。

施工管理の基本

施工管理とは、工事全体をまとめるディレクションの役割を持った仕事のことです。
工事が品質と安全を保って予定通りに進行するように、また、工事費用が予算内に収まるように確認及び管理をします。
その業務は、施工に使う図面や工程表(スケジュール)の作成、現場指揮、作業員の割り振り、資材や機材の発注、協力会社とのやり取り、役所での手続きなど、非常に広範です。
顧客の信用や工事費用の増減に直結することから、業務の重要度は高く、「施工管理がいないと施工ができない」といわれます
施工管理は、施工管理者や施工管理士とも呼ばれ、工事の分野に応じて「建設機械施工管理」や「建築施工管理」、「土木施工管理」など呼び分けることがあります。

施工管理の平均年収

施工管理の平均年収は、約619万円です。
厚生労働省が運営している職業情報提供サイト「job tag」には、建築施工管理技術者と土木施工管理技術者の平均年収の記載があり、令和6年時点では下記の通りとなっています。

 

建築施工管理技術者 641.6万円
土木施工管理技術者 596.5万円
平均 約619万円

参考: 職業情報提供サイト(job tag)「建築施工管理技術者-職業詳細
参考: 職業情報提供サイト(job tag)「土木施工管理技術者-職業詳細

 

施工管理は重要度が高いため、建設業の年収としては多い傾向です。
もちろん、平均でしかないため、企業規模や資格、経験年数や工事の種類などによっては、これ以上の年収を得ている施工管理もいます。

現場監督と施工管理の違い

現場監督と施工管理は混同されやすいですが、主に仕事の規模に違いがあります
現場監督は、現場で作業を取りまとめて管理する、現場管理が主な仕事です。
一方で施工管理は、施工に関わる全体を管理するのが仕事です。
工事のスケジュール管理の他、工事にかかる予算や原価などの計算もおこない、工事に必要な書類作成といったデスクワークも手掛けるといった違いがあります。
また、施工管理はデスクワークと現場指揮をこなすため、工事期間中はオフィスに出勤したり現場に出勤したりするのに対し、現場監督は基本的に現場に出勤します。
なお、工事の規模によっては施工管理が現場監督を兼ねることもあり、必ずしも別々の人が担当するわけではありません

施工管理が必要な業種や企業、現場

施工管理は、業種では主に建設業が該当し、その中に、建設業界やインフラ業界、プラント業界などがあります
また、施工管理が求められる主な企業や現場は、下記の通りです。

 

求められる企業
  • ・内装業者
  • ・リフォーム業者
  • ・ゼネコン
  • ・サブコン
  • ・ハウスメーカー
  • ・土木専門の工事会社
  • ・建材メーカー
  • ・プラント
  • ・通信建設会社
求められる主な現場
  • ・建築工事
  • ・土木工事
  • ・電気工事
  • ・管工事
  • ・造園工事
  • ・電気通信工事

施工管理の関連資格

施工管理は、現場によっては資格がなくてもおこなえるものの、国家資格として「施工管理技士」があります
施工管理技士の資格は、下記の7つです。

  • ・建設機械施工管理技士
  • ・建築施工管理技士
  • ・電気工事施工管理技士
  • ・土木施工管理技士
  • ・管工事施工管理技士
  • ・造園施工管理技士
  • ・電気通信工事施工管理技士

施工管理技士の資格は1級と2級に分かれており、1級に合格すれば大規模な工事、2級で中規模な工事を管理できるようになります。
また、それぞれの試験は第1次検定と第2次検定に分かれ、第1次検定に合格すれば施工管理技士補、第2次検定に合格で施工管理技士を名乗ることができます。
第2次検定の合格には実務経験も求められるため、合格は容易ではありません。

 

このように難易度が高く設定されているのは、施工管理技士の資格は、建設や建築、電気工事など、専門性が高い特定業種別に認定されるもののためです。
そのため、特に1級の第2次検定に合格している1級施工管理技士は、施工管理のエキスパートといえます

 

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施工管理の業務内容とは?

施工管理の主な業務内容4つを詳しく解説
では、施工管理は、具体的にどのような業務をおこなっているのでしょうか。
ここで、施工管理の主な業務内容について、4つ見ていきます。

工程管理

工程管理とは、定められた工期内に工事を終えるため、工事全体のスケジュールを立案から管理までおこなう業務のことです。
まず各工事が余裕を持って終えられるように、細かな工程表(スケジュール表)を作成し、工事に必要な資材や機材、人員などを配分します。
その後は作業の進捗を追い、工程表に照らし合わせて遅れがあれば、作業内容を見直したり人員を再配分したりといった調整をおこないます。
悪天候が続いたり、発注した資材がなかなか納品されなかったりといったトラブルは、いつでも起こり得るものです。
トラブルによって全体に遅延が生じるような事態もあるため、部下や協力会社の関係者などと密接にコミュニケーションを取り、調整していく必要があります

安全管理

安全管理とは、現場で働く作業員の安全を守るため、環境を整える業務のことです。
内装工事には、高所でおこなうような危険な作業があり、機材の中には資材の切断や釘打ちなどに使う危険なものも少なくありません。
そのため、作業員が安全に働けるように教育を施したり、作業内容を確認したり、資材や設備を点検したりといったことが必要です。
また、作業員の健康を守るために、熱中症対策や休憩場所の用意、冷暖房の整備なども必要になり、強風や豪雨で作業を中断すべきときにはその判断もおこないます。
他にも、毎日の朝礼や作業開始前の危険予知活動を通じて安全意識を啓蒙したり、事故発生時の対応フローを構築したり、トラブルが起きた際は再発防止策の策定などもおこないます。

品質管理

品質管理とは、工事が仕様書や設計図などの通りにおこなわれ、品質や規格にも問題ないかをチェック・管理する業務のことです。
資材には何を用い、どのように施工するかは、仕様書や設計図などによってあらかじめ指定されています。
何の資材を用いるかで、質感や風合いだけでなく、耐久性や耐火性、防音性などが変わってくることから、資材が違うことはまず許されません。
また、工期に間に合わせるために、内装デザインが雑になったり、工程が省略されたりということもあってはならないことです。
そのため、施工管理が品質をチェック・管理し、写真撮影といった証拠の保全もおこないます

原価管理

原価管理とは、予算内で工事を完了させるために、施工にかかるお金全体を把握・管理する業務のことです。
内装工事には、まず内装の資材購入に出す材料費、施工をする作業員に出す人件費があり、仮設備の設営や機材のレンタルなどにもお金がかかります。
それらを予算内に抑えた上で、企業としての利益も出さなければなりません。
さらに、さまざまなトラブルが起こることを考慮した上で、細かな予算計画を立てる必要があります。
それでも、悪天候で作業がずれ込んで追加の人件費が必要になったり、予定していた資材の在庫がなく別の資材で代用する必要があったりと、トラブルは起こり得ます。
その際には、直接顧客と予算を調整することもあります

 

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施工管理に求められる役割や能力

施工管理をこなすには何が必要?
このように、施工管理にはさまざまな業務があります。
そんな施工管理に求められる役割や能力は、下記が挙げられます。

細かなスケジュール管理能力で工期を守る

施工管理にまず求められるのは、スケジュールを管理する能力です。
現場作業は、スケジュールが崩れるリスクが常にあるためです。
例えば、工期に台風がぶつかってしまうと、強風や停電などで作業ができないことがあります。
また、作業員が体調を崩してしまうと、予定していた作業が滞り、人員を割り振りし直すこともあり得ます。
細かにスケジュールを調整することで、工期内で施工が終えられるため、スケジュール管理能力は、施工管理に必須の能力といえるでしょう。

冷静さで、不測の事態にも対応する

施工管理には、不測の事態が起きても臨機応変に対応する、冷静さも求められます
例えば、施工の段階で図面のミスを見つけたり、施工後に現場監督が気付けなかった細かな施工ミスを発見したりということがあるかもしれません。
また、建築現場であれば、地中から埋設物が発見されるというようなことも起こり得るでしょう。
その際には、パニックを起こすことなく、冷静に原因の調査や報連相、修正などをおこなう必要があります。
冷静に対応できるよう、不測の事態は必ずやってくると心構えをし、自身のメンタルを保つ自己管理力(セルフマネジメント)も大切になります

リーダーとしての資質で現場を引っ張る

施工管理には、現場を引っ張るリーダーとしての資質も必要です。
工事を完了させるためには、さまざまな作業員たちを一つのチームとしてまとめる必要があるためです。
現場には、年齢も経験も異なる多くの作業員が集まり、また協力会社という外部の作業員も関わります。
その際、作業員たちを牽引し、ときに上手に動いてもらうには、リーダーシップがなければなりません。
さらに、集まった作業員を最大限に活かすには、効率良く物事を進めるマネジメント力も必要です。
リーダーシップに加えてマネジメント力があることで、適切な人材配置や、スムーズな課題解決などができ、効率的に物事を進められます。

高いコミュニケーション能力で工事を円滑に進める

施工管理には、工事を上手く進めていくコミュニケーション能力も欠かせません
上述のように、現場には年齢も経験も違う作業員が集まります。
また、資材を提供する業者や顧客、協力会社や近隣住民など、多くの人と関わるためです。
世代が全く違うベテラン作業員と意見を交わす場面も、工事に詳しくない人には専門用語をかみ砕いて説明する場面も訪れます。
そのため、相手が理解・納得できるように伝える発信力や、相手の理解度を確かめながら疑問点を聞き取る傾聴力など、高いコミュニケーション能力が求められます

危機管理能力で現場の安全を守る

施工管理には、安全管理に直結する危機管理能力も必須といえます
現場には、さまざまな危険が潜んでおり、事故を未然に防がなければならないためです。
リスクを回避するリスクアセスメントを実施しますが、作業員が慣れから油断するヒューマンエラー、効率を求めて手順を省略するといった不安全行動も起こり得ます。
そのため、ヒューマンエラーや不安全行動を防ぐ目的で、安全意識を啓蒙し、教育をおこなう必要があります。
台風や地震などの自然災害リスクに対しても、養生や避難計画などの備えを万全にしておかなければなりません。
法令改正や新しい安全基準などもあるため、情報を常にアップデートし、現場の運用に反映させる意識も大切です。

マルチタスクで工事全体を把握・同時進行する

施工管理は、マルチタスクで、さまざまなことを同時進行するスキルも求められます
施工管理の業務は多岐に渡り、現場では、複数の工事が同時に動いているためです。
同時並行する複数の工事の進捗を把握し、段取り良く進めていく必要があります。
工事が進んでいる間に、自身はオフィスで書類作成をこなしたり、協力会社と連絡を取ったり、工事の品質に問題がないか確認して写真を撮影したりといったこともおこなわなければなりません。
自分の業務だけでなく部下や協力会社の業務など、さまざまなことも把握して行動しなければならないため、要領の良さが求められます

ITスキルを発揮してデスクワークもこなす

施工管理は、デスクワークが必要な場面も多々あります
CADソフトを使用して施工図を作成したり、安全管理で撮影した写真を見やすいように写真編集ソフトで編集したりということは珍しくないためです。
また、Excelで予算管理表や工程表を作成したり、Wordで報告書や申請書類、打ち合わせ用の資料を作成したりということもあります。
企業によっては、施工管理でリモートワークをすることも、施工管理アプリを使用することもあるでしょう。
そのため、施工管理では、ITツールを活用できる知識も求められるようになっています

激務といわれる施工管理がなぜ選ばれる?やりがいやメリット

施工管理が選ばれる理由とは?そのやりがいとメリットを解説
施工管理は、業務が多岐に渡るだけでなく、求められることも多くあります。
そのため激務といわれますが、施工管理が選ばれているのは、やりがいやメリットが多くあるからです。
ここでは、施工管理のやりがいやメリットについてご紹介します。

顧客とつながり、喜んでもらえる

施工管理のメリットは、顧客と関わり、喜んでもらえることです。
施工管理には、顧客と直接やり取りし、顧客の理想を形にしていくことが求められます。
製造業のように作る側と使う側が離れていると、感謝を実感しづらいことがあるかもしれません。
しかし施工管理であれば、直接感謝の言葉を貰い、笑顔を見られることもあります。
「理想通りの内装に仕上げて頂き、ありがとうございました」、「お陰でオープンに余裕を持って臨めます。ありがとうございます」などの言葉で苦労が報われ、次の現場へ向かう大きなモチベーションになります

建物を使う人達を見て達成感を得られる

施工管理のやりがいは、できあがった建物を使う人達を見て、大きな達成感が得られることにもあります
オフィスや美容室、病院や商業施設などを問わず、建物とその内装は、誰かに使われるために施工されるものです。
日数と苦労を掛けて完成させるものでもあり、誰かが使って喜んでくれている、施設が賑わっているなどが確認できると、大きな達成感につながります。
道路や橋などインフラに関わる現場を担当する施工管理であれば、社会に貢献できているということも実感でき、自信になるはずです。

仕事仲間や協力会社と信頼関係を築ける

さまざまな人と信頼関係を築けることも、施工管理のメリットといえます。
施工管理は、先頭に立って工事全体を管理する立場であり、関わる人が多いためです。
頑張って良い仕事をした分、信頼されて良い関係を築けるのは、大きなリターンといえるでしょう。
また、その信頼関係が、次の良い仕事や大きな仕事につながっていくというのは、やりがいになります。
自身の考えを理解してくれる仕事仲間や協力会社の人たちがいると、より仕事が円滑になり、安全や品質も向上していきます

資格取得や技術向上などにつながる

施工管理の仕事が、資格取得や技術向上につながることもメリットです。
大変な分、仕事を通じて得られる知識や経験は、自身のキャリアを支えてくれる一生モノの財産になります。
実務経験自体が、施工管理技士の資格取得に直結しており、資格を取得すればより大きな仕事を受けられ、資格手当といった収入アップの一歩になります。
また、同じ現場で作業することはほぼないため、さまざまな経験ができ、知識や技術を更新し続けることも可能です。
施工管理の仕事を続けることで、課題解決能力や交渉力といったビジネススキルもより高めていけるでしょう

建設業界は需要が途切れにくい

施工管理が身を置く建設業界は、需要が途切れにくいといったメリットがあります
建物はいずれ経年劣化するため、建て直しやリノベーションの必要性が生じます。
また、街を便利で住みやすくするためには、都市開発や駅周辺の再開発なども必要です。
そのため、建設業界には、途切れることがない安定的な需要が見込めます。
また、建設業は、AI のようなIT技術が発展しても、建設設計の分野以外は仕事が奪われづらいといわれています。
施工管理であれば、「いつか職が奪われるのではないか」とストレスを覚えることなく、働き続けやすいというメリットもあるのです。

建設業界の需要に対し人手不足があり、高収入になりやすい

施工管理は、高収入が見込みやすいというメリットもあります
体力が必要な建設業界は、少子高齢化の波をダイレクトに受けており、人手不足という問題を抱えているためです。
そのような現状を踏まえ、施工管理のように重要な職種に対しては、好待遇を用意している企業もあります。
施工管理自体が、現場手当、遠隔地手当、休日出勤手当、資格手当のように、さまざまな手当がつきやすいことも、高収入を得やすい要因です。
また、人手不足の影響で、優秀なベテラン施工管理は定年後も需要があります
管理が本分のため、現場で作業をおこなうことは少なく、定年後で体力が衰えても働くことができます。

さまざまなキャリアプランを描ける

施工管理は、さまざまなキャリアプランを描けるというメリットがあります
多彩な業務を経験しているスペシャリストであるため、状況次第で現場代理人や現場所長を任されることも、管理職へキャリアチェンジすることもできるでしょう。
また、実務経験を積んで資格取得や実績ができていけば、大手ゼネコンやサブコン、ハウスメーカーや建設コンサルタントなど、さまざまな企業への転職も視野に入ります
海外で働きたい、フリーランスで活躍したいといった目標がある場合にも、需要がある施工管理であれば、叶えやすいでしょう。

内装の施工はTOMITA株式会社におまかせください

質の高い施工管理で内装工事の成功を目指す方は、TOMITA株式会社にぜひご相談ください
この記事では、施工管理とは何か、業務内容や役割、選ばれている理由など、詳しくご紹介しました。
施工管理は、工事全体を管理するという、非常に高い価値を持った仕事です。
求められる役割や能力が多く、大変ではありますが、その分のやりがいやメリットが感じられる仕事といえるでしょう。

TOMITA株式会社は、幅広く内装を手掛けている内装業者です。
設計から施工、そして施工管理までを、一貫して対応できることが強みです。
施工管理は、「施工管理がいないと施工はできない」といわれる重要な仕事だからこそ、TOMITA株式会社は自社で対応しています。
それにより、工事の安全や品質などが一定以上に保たれ、作業員や協力会社とも関係が築かれていることから、施工がスムーズというメリットがあります。
内装工事を成功させるため、施工管理にもこだわりたいという方は、ぜひTOMITA株式会社にご相談ください。

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