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2025/11/26

内装工事の見積もり項目の意味とは?見積もりまでの流れや依頼時のポイントまで解説

内装工事の見積もりはなぜ重要?項目の読み方や流れ、見積もり依頼のポイントを紹介

内装工事を依頼する際、必ず取ることになるのが見積もりです。
しかし、見積もりに記載される項目の多くは専門用語で、見慣れていない方だと全くわからないことも少なくありません。
内装業者によって、項目の書き方が異なることも、理解を妨げている要因の1つでしょう。
しかし、記載されている項目の意味を理解していないと、さまざまなリスクがあります。
この記事では、内装工事の見積もりに記載される項目の意味、見積もりまでの流れや、依頼時のポイントなどについてご紹介します。

 

目次

    1. 内装工事の見積もり項目がわからないことで高まるリスクとは?
    2. 見積もりの項目を理解するための前提知識
    3. 内装工事の見積もりに記載されている項目の意味とは?
    4. 内装工事の見積もりをチェックするまでの流れ
    5. 内装業者に依頼するときのポイント5つ
    6. 内装工事の見積もりでお悩みの方はTOMITA株式会社にご相談ください

 

内装工事の見積もり項目がわからないことで高まるリスクとは?

内装工事の見積もり項目の意味を知ることがなぜ大事?
見積もり項目を理解できていないと、金銭や時間が無駄になったり、内装の品質が落ちたりといったリスクが高まります
工事の要不要や、その金額に達する理由などがわからなければ、判断材料が見積もりの合計金額しかなくなってしまうためです。

例えば、概算見積もりの合計金額だけを比較して、1~2番目に安い業者に、本見積もりを依頼したとします。
しかし、見積もりに対する姿勢は業者によって違い、正確性を重視すると労力がかかることから、概算見積もりに力を入れていない業者もいます。
また、契約につなげようと、敢えて安く概算見積もりを出す業者もいないとは言い切れません。
そのため、「概算見積もりでは安かった合計金額が、本見積もりでは倍近くに膨れ上がっている…」というようなことが起こり得ます

しかし、本見積もりを出すためには、打ち合わせや確認などに時間を費やす必要があります。
断りたい気持ちがあっても、「この業者を断ったら、別の業者を探すところからやり直しになってしまう…」と、内装工事を依頼してしまうかもしれません。
特に、契約につなげようと敢えて概算見積もりを安く出している業者だと、内装工事の品質についても不安があります

見積もりの項目について知っていれば、「この工事が含まれていないから安いんだ」、「この工事が含まれているのはおかしくないだろうか?」と判断できるようになり、見積もりの落とし穴に落ちるのを防げます。
そのため、見積もりの項目について知っていくことが大切です。

見積もりの項目を理解するための前提知識

見積もり項目を知る前に知っておきたい、業界全体の構造とは
内装工事の見積もり項目の前に、工事全体の仕組みを知っておくと、見積もり項目の理解に役立ちます
例えば、各工事の内訳に、諸経費や運搬費、処分費、作業費など、似た費用が記載されていることがあります。
重複しているように見えますが、用途や範囲が異なる各工事の費用のため、必ずしも重複とは限りません。

このように似た費用が記載されるのは、業界全体の傾向として、自社だけで全ての工事を完結するケースが少ないためです。
内装工事では、塗装工や大工、水道業者や電気工など、専門分野を下請け協力業者が担当し、人員が足りない場合は外注するのが一般的です。
見積もり上でも、分かりやすいように「塗装工事」や「防水工事」などに分け、工事項目ごとに人件費や作業費などを記載するのが望ましいといえるでしょう。
そのため、見積もりに「〇〇工事」と項目が1つあるごとに、それぞれ専門の業者が携わっていると考えると、理解しやすくなるはずです。
もし項目や費用が重複していると思われる場合は、確認して説明を受けることが重要になります。

 

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内装工事の見積もりに記載されている項目の意味とは?

内装工事の見積もり項目には、何が書かれている?
ここでは、内装工事の見積もりで記載されている項目について、具体的に見ていきます。
内装業者によって名称や見積もりへの記載方法などが異なりますが、参考にしてみてください。

解体工事

解体工事とは、既存の不要な内装を解体し、取り除く工事のことです。
既存の内装を変える改装の際はもちろん、残された内装を再利用できる居抜き物件でも、不要な内装があれば解体工事をおこなうことがあります。
また、解体工事の内訳には、下記のような費用項目が含まれることがあります。

  • ・解体作業の人件費……作業費、移動作業費
  • ・解体した内装を運び出す費用……運搬費、運び出し費、搬出費
  • ・解体した内装を処分する費用……処分費、廃棄物処理費
  • ・運搬する車のガソリン代や駐車場代など……諸経費、運搬交通費

これらを総合して解体工事一式と記載されることも、解体撤去工事費や残置物撤去費、剥がし費用など、別の名称が用いられることもあります

補修工事

補修工事とは、建物や内装の、損傷や破損を補修する工事のことです。
損傷や破損によって、美観や安全が損なわれないように、木工事や左官工事、塗装工事などによって補修がおこなわれます。
例えば、再利用したい既存の内装が、経年劣化によって損傷していた場合に、補修工事が必要です。
塗装の剥がれや扉の歪み、床の傷や、壁の穴、天井のひび割れなどがあれば、補修工事の必要があるといえるでしょう。
また、内装材は強固に固定されており、解体工事で傷やひび割れといった破損が生じることから、補修工事を前提として記載しているケースもあります。
業者によっては、復旧・補修工事、雑補修費など、別の名称で見積もりに記載することもあります

仮設工事

仮設工事とは、工事に使う設備を設置する工事や、工事部分を保護する作業のことです。
見積もりでは、仮設工事の内訳は下記のように書かれることが多いでしょう。

  • ・一時的に電気が使えるようにする作業……仮設電気、仮設電気工事、仮設電気設備工事
  • ・一時的に水道が使えるようにする作業……仮設水道、仮設水道工事、仮設トイレ
  • ・工事部分を保護する作業……養生、現場養生
  • ・高所作業のために足場を設置する工事……仮設足場、仮設足場工事

工事を進めるためには、工具を稼働させる電気、環境を清潔に保つ水道や、作業員用の仮設トイレなどが必須です。
また、工事部分を保護する養生、高所の作業では足場を組む必要もあります。
なお、電気や水道などに関しては「仮設工事」ですが、養生や足場などは「直接仮設工事」に分類されることがあります。
同様に、クレーンの用意や内装材の運搬、敷地の囲いやガードマンの配置など、工事全体で使うものに関しては「共通仮設」として、仮設工事の項目に別々に記載されることがあります

造作工事

造作工事とは、建物の内部に、基礎や下地、設備などを作っていく工事のことです。
特にスケルトン物件では、柱や梁といった、建物の躯体部分しかない状態です。
そのため、内装材を取り付ける前に、床や壁、天井などに、基礎や下地、設置する家具などを造作する(作る)必要があります。
造作工事にはさまざまなものがあり、主なものは下記の通りです。

  • ・軽量鉄骨(LGS)で壁や天井の基礎・骨組みを作る工事……軽鉄工事、LGS工事
  • ・石膏ボード(プラスターボード)やパテなどで下地を作り、補強する工事……ボード工事、下地補強工事
  • ・建具(ドアや窓などの枠組み)を設置する工事……建具工事、木製建具工事、金属製建具工事
  • ・パーテーションを設置する工事……パーテーション工事、間仕切工事

他にも、現場で図面を作成する場合は図面作成、現場に指示用のマーカーを書き込む場合は墨出しなどが、見積もりに記載されることがあります

左官工事

左官工事とは、コテを使って、建築材料や塗料などの左官材料を塗る工事のことです。
床や壁、天井など、さまざまな箇所にモルタルや漆喰、珪藻土などを塗って、下地作りや仕上げ、補修などをおこないます。
左官工事は、基本的に職人による手作業です。
そのため、床や壁などに表情が生まれ、職人の腕次第ではデザイン性に優れたものに仕上がるというメリットがあります。
見積もりには、〇〇の塗り替え、〇〇の補修といった名称で記載されていることがあります

塗装工事

塗装工事とは、壁や天井、家具などを塗料で塗り上げる工事のことです。
壁や天井などにハケやスプレー、ブラシなどを使って塗料を塗布・吹き付けることで、美観を整えたり、耐久性を向上させたりするのが目的です。
補修工事の際に塗装が施されることも、造作工事で基礎や下地に対して塗装がおこなわれることもあります。
また、内装仕上げ工事の一つとして、内装仕上げ工事の項目に記載されることも少なくありません。
屋根や外壁の塗装工事と区別したい場合は、内装塗装工事といった名称で見積もりに記載されることがあります

防水工事

防水工事とは、衛生状態を保つために防水処理を施す工事のことです。
飲食店の厨房では、調理に使用した水や油を捨てたり、床や排水口を掃除したりということが頻繁におこなわれます。
その際、適切に防水処理が施されていないと、カビや菌、虫の発生、階下への浸水、排水口の詰まりなどが起こり得ます。
そのため、床に防水材を使ったり、防水層を作ったりする工事が必要になるのです。
見積もりでは、防水工事、店舗防水工事という項目で記載されることが多いでしょう
内訳が細かく記載される場合は、下記のような名称が使われることがあります。

  • ・材料費
  • ・防水下地、下地処理
  • ・防水層
  • ・搬入費
  • ・運搬費
  • ・ドレン設置
  • ・脱気筒設置
  • ・防水区画コンクリートブロック積、コンクリートブロック積み工事
  • ・諸経費

電気工事

電気工事とは、建物内で電気を安全に扱えるようにするための工事のことです。
電気に関する工事の総称で、配線や通信、照明や音響など、電気に関する工事が幅広く含まれます。
そのため、見積もりでは電気工事とまとめて記載することも、下記のように細かく分けて記載することもあります。

  • ・建物外の電柱や配電線に関する工事……外線工事、配電線工事
  • ・電柱から建物の設備に電線を引き込む工事……引込線工事
  • ・建物内の配線工事……内線工事、屋内配線工事、電気配線工事
  • ・コンセント設備に関する工事……コンセント、コンセント設備工事、電灯コンセント工事
  • ・照明に関する工事……照明器具工事、照明下地工事、照明設備工事、非常灯工事
  • ・電話回線やインターネット配線の工事……弱電工事、弱電(電話・LAN)工事、通信工事、LAN配線工事
  • ・音響設備に関する工事……音響工事、音響設備工事
  • ・防犯設備に関する工事……弱電工事、セキュリティ工事

電気工事の中でも、電気設備に関することは、電気設備工事と記載を分けることがあります
また、他の水道やガスなどの設備の工事とまとめて、設備工事として記載することもあり、業者によって記載方法が大きく異なる項目といえるでしょう。

水道工事

水道工事とは、水道に関する工事全般のことです。
飲食店の厨房、オフィスの給湯室、トイレなどで給排水をおこなうためには、配管やポンプ、トイレや浄化槽、排水トラップなどの設置が必要です。
見積もり上では、水道工事、水道設備工事、給排水工事、給排水設備工事、衛生設備工事、給排水衛生設備工事といった名称が使われます
他にも、必要に応じて下記のような項目が、水道工事の内訳として見積もりに記載されることがあります。

  • ・給水管、配水管などが引く工事……給水管引込工事、屋内配管工事
  • ・配水管の工事……配水管工事
  • ・排水管の工事……排水管工事
  • ・配管の修理交換……修繕工事
  • ・下水道の設置工事……下水道排水工事
  • ・浄化槽の設置工事……浄化槽設置工事
  • ・使用しない水道を閉じる場合……プラグ留め工事、キャップ留め工事
  • ・飲食店で油分や残飯処理用のトラップを設置する工事……グリーストラップ設置
  • ・飲食店で厨房機器と配管を接続する工事……厨房機器接続工事、給水、給湯配管工事
  • ・便器や手洗器、混合水栓などの購入費……便器、手洗い器、混合水栓、給水、給湯配管工事材料費

また、水道設備や給排水設備など、設備に関する項目でもあるため、業者によっては設備工事として記載することもあります。

ガス工事

ガス工事とは、建物内でガスを安全に取り扱えるようにする工事のことです。
飲食店の厨房で使うガスコンロや、厨房機器につなぐガス配管、ガス給湯器などの設置工事を指します。
見積もりでは、ガス工事、ガス設備工事、ガス配管工事、基本工事などと記載されることが多いでしょう。
また、細かく記載される場合は、外壁に穴を開けるのであれば付帯工事、給湯器を購入した場合は給湯器、運搬に使った車両や駐車場代などがかかった場合は、諸経費といった名称が使われることがあります

空調工事

空調工事とは、空調設備や配管などを設置する工事のことです。
空調設備は、室内の温度や湿度などを調整する役割を持っており、エアコンが代表的です。
見積もりには、空調工事、空調設備工事などと記載されます。
より詳細に書く場合は、エアコンやエアコン購入費、エアコンの室内機と室外機の取り付け、配管工事と試運転といった名称が記載されるはずです。
また、エアコンのドレン水によるニオイを防ぐ処置として、トラップ設置が必要なケースもあります。
その場合は、付随工事として、トラップに関する記載もあるはずです。

なお、業者によっては、後述する換気設備を、空調設備として扱っていることがあります
その場合は、空調工事と換気工事が分けられておらず、換気工事に関する項目が空調工事に記載されているでしょう。
また、空調設備の工事は、大枠では設備工事の1種です。
そのため、業者によっては、空調工事ではなく設備工事という名称で記載することがあり得ます。

換気工事

換気工事とは、換気設備や、換気に必要な配管などを取り付ける工事のことです。
オフィスや病院など、建築基準法や消防法によって、人が集まる場所には換気設備の設置が求められます。
特に火を扱う飲食店の厨房では、換気扇やダクトが欠かせず、トイレや喫煙所などに換気設備が必要なケースもあります。
見積もりには、換気工事、換気設備工事、吸排気設備工事、吸換気設備工事などの名称で記載されることが多いでしょう。
細かく内訳まで記載されるケースでは、換気扇設置やダクト工事、外壁穴開け、器具類取付工事、排煙設備工事などの名称が使われます
設備工事の1種であるため、換気工事ではなく設備工事として記載されることもあります。

防災工事

防災工事とは、地震や火災など、災害に備えておこなわれる工事のことです。
消防法によって設置が定められている設備は、消防用設備とも呼ばれるため、消防用設備工事という名称で見積もりに記載されることもあります
具体的におこなわれるのは、消火設備や警報設備、避難設備などの設置です。
また、設置後に性能を確かめる試験調整費、業者に申請を委託する消防申請費、防炎物品の購入費、耐震補強費などがかかるため、内訳として見積もりに記載されることがあります。

防音工事

防音工事とは、外部に音が漏れないようにする工事のことです。
内装の基礎や下地に対し、遮音性や吸音性、防振や制振などの機能を持った道具を設置していきます。
例えば、音を跳ね返せる遮音シートや、音を吸収できるグラスウールスポンジが使われた断熱材などを、軽鉄工事やボード工事などの際に設置していくのが主な作業です。
見積もりに詳細に書かれる場合には、資材の購入や設置にかかる費用として、下記のような記載があるはずです。

  • ・音を内部に反射させ、外へ漏れないようにする……遮音、遮音シート、防音シート
  • ・音が内部に反射しないよう、吸収させる……吸音、グラスウールスポンジ素材
  • ・振動によって音が発生するのを防ぐ……制振、ゴムシート制振シート
  • ・振動が周囲に広がるのを防ぐ……防振、防振材ゴムマット

厨房設備工事

厨房設備工事とは、厨房設備の設置に関する工事のことです。
厨房設備工事の見積もりには、厨房機器をはじめ、電源や配管、換気扇はどこに設置するかといった、厨房のレイアウト設計(厨房機器設計)も含まれることがあります。
また、業者を通してシンクや製氷機などの厨房設備を購入した場合は、その購入費も見積もりに記載されているはずです。
厨房機器に接続するガス管や水道管、分電盤の電圧切り替えなどに関しては、ガス工事や水道工事、電気工事など、別の項目に記載されることがあります

造作家具工事

造作家具工事とは、作り付け家具を設置する工事のことです。
作り付け家具とは、その店舗やオフィス専用に作られた造作家具(オーダーメイド家具)であり、床や壁、天井などに直接固定する必要があるもののことです。
造作家具には、その部屋に合わせた統一感のあるデザインにできることや、サイズぴったりの家具を置けるため、スペースを有効活用できるというメリットがあります。

造作家具工事の方法は2種類あるため、見積もりでは記載を分けることがあります
例えば、業者が現場で製作もしくは組み立てて設置する場合は、大工工事や木工造作工事、あるいは組立設置です。
家具工場で製作した家具を、搬入して設置するだけという場合は、家具工事という名称が使われます。
なお、家具工事は、家具工場で製作した家具を設置する工事の意味を持つため、床に置くだけで設置できる置き家具の設置を指すことがあります。

サイン工事

サイン工事とは、企業の名前が入った看板やロゴ、サインなどを加工・設置する工事のことです。
看板やロゴを建物の内外に設置することで、どのような企業が入っているかわかり、取引先や顧客の印象に残すことができます。
また、トイレを示すマークや、会議室の番号など、案内や誘導、情報伝達を目的としたサインをデザインし、設置するのもサイン工事に分類されます。
見積もりでは、サイン工事やサイン設置工事といった名称で記載されることが多いでしょう

内装仕上げ工事

内装仕上げ工事とは、基礎や下地の上に、内装材や家具などを設置して仕上げていく工事のことです。
内装仕上げ工事には複数の項目があるため、見積もりでは下記のように分けて記載されることがあります

  • ・床に関する仕上げ工事……床仕上げ工事、タイル貼り工事、床シート貼り
  • ・壁に関する仕上げ工事……壁仕上げ工事、クロス貼り工事、クロス張り替え工事
  • ・天井に関する仕上げ工事……天井仕上げ工事
  • ・家具に関する仕上げ工事……家具工事、インテリア工事

床材や壁材、天井材などの他、照明器具や襖、畳、カーテンや家具など、必要なものが設置されます。
また、場合によっては塗装や左官による仕上げもおこなわれます。

木工事

木工事とは、床や壁、天井などに使用する木材の加工や設置など、幅広く木材に関する工事のことです。
木製の床材を取り付ける工事も、コンクリートの上に化粧床という木材の床を組み上げる置床も、木材でカウンターや棚といった造作家具を作る工事も、木工事に含まれます。
工事の範囲が広いため、業者によって記載の仕方が異なりやすい項目の1つです。
例えば、木工事の内訳に、置床や造作家具などが記載されることも、造作工事や造作家具工事など、他の工事項目に木工事が記載されていることもあります。

金属工事

金属工事とは、金属の加工や設置に関する工事のことで、金物工事とも呼ばれます
具体的な作業は、金属製の建具や什器、手すりやパネル、フレームなどの加工や設置です。
その中で、資材同士を結合させるといった、機能性を重視した部品の加工設置は機能金物、デザイン性を重視した蝶番やドアノブ、モニュメントやオブジェなどの加工設置は装飾金物というように呼び分けることがあります。
また、薄い金属板を加工し、仕上げ材として天井や壁面、カウンターなどに設置する工事に関しては、板金工事と呼び分けることもあります
板金工事は、厨房のような場所で油跳ねを防ぐためには欠かせない工事の1つです。

ガラス工事

ガラス工事とは、ガラスの加工や設置に関する工事のことで、ガラス加工取り付け工事とも呼ばれます
具体的には、窓ガラスやガラス製の間仕切り、ガラス製のショーケースや鏡などを加工したり、設置したりする作業のことです。
また、ガラスの性能や美観を向上させる目的で、フィルムやシートを施工する場合には、フィルム施工やシート施工の項目が見積もりに記載されます。
その際の見積もりには、飛散防止フィルム施工、ガラス装飾フィルム施工、断熱フィルム施工、カッティングシート施工などの記載があるはずです。

設計

設計とは、内装のデザインやレイアウトの設計作業のことです。
内装を作り上げるには、床や壁や天井のデザイン、レイアウトを記したさまざまな図面が必要になります。
どの箇所にどの内装材を使うか、素材はどれだけ必要か、人が移動するのに適したレイアウトはどれか、内装に合う色彩はどうするかなど、細かく図面で表さなければ、依頼者と業者の間で齟齬が生まれてしまうためです。
作成される図面の名称は、平面図や立面図、断面図や詳細図、設計図や展開図など、さまざまなものがあります。
見積もり上では、設計費やデザイン費、設計デザイン費などの名称で記載されます

施工管理、施工監理

施工管理とは、工事が予定通り、図面通りに進んでいるかをチェックする作業のことです。
施工管理は、施工する業者の中から、現場監督のような責任者が担当します。
一方で、施工監理とは、予定や図面通りに進んでいるかを、第三者がチェックする作業のことです。
例えば、内装を設計した会社と、施工する会社が別々であれば、設計した会社や、設計した会社が依頼した監理業者がおこないます。
施工管理と施工監理がそれぞれおこなわれることで、中立な視点を保ち、依頼者の立場で品質や安全性などを、より確実にチェックできるようになっています

一般管理費、現場管理費

一般管理費とは、内装業者の会社自体の運営費を指します
工事原価(工事にかかる費用)を除く純粋な企業の利益で、この中に役員報酬や従業員の給料、福利厚生費、光熱費、通信費、減価償却費といった経費が含まれています。

一方で、現場管理費とは、現場の維持管理をおこなうためにかかる費用のことです。
現場で働く作業員に対する人件費、現場調査費、建物に対してかける保険料、近隣住民に挨拶回りや粗品などを配る補償費用などが含まれています。
現場管理費の内訳には、共通仮設の費用が含まれることも、内装の設計費用が含まれることもあります。
また、一般管理費と現場管理費は、諸費用や諸経費、現場諸経費などとして、まとめて記載されていることが少なくありません。

クリーニング

クリーニングとは、内装工事が完了した後、引き渡す前におこなう仕上げの清掃作業のことです。
基本的には、内装業者が直接おこなうのではなく、専門の清掃業者に依頼しておこなわれます。
内装工事で出た粉塵は細かく広範に散らばるため、専用の掃除機で吸ったり、飛び散った塗料や接着剤を専用の薬剤で除去したりと、専門的な作業が必要なためです。
手が届かない箇所にある汚れを落とし、薬剤を使って床や壁を拭き上げ、ワックスがけなどもおこなわれます。
見積もりの記載では、引き渡しクリーニング、清掃費など、別の名称が用いられていることがあります

副資材

副資材とは、工事に使用する消耗品や材料などの雑費をまとめた項目です。
副資材は、内装に直接使われる資材ではないものの、ないと工事が進まない、購入が必要な資材のことです。
例えば、作り付け家具を作る際の接着剤や、工事箇所を保護するための養生テープ、ハケや塗料、手袋、清掃用品、筆記具などが副資材と呼ばれます。
特に工事全体を通して使うものに関しては、副資材という項目を作り、見積もりに記載することがあります

雑工事

雑工事とは、主要な項目に当てはまらないような、細かな工事のことです。
雑な工事という意味ではなく、分類しがたい細かな作業や小さな工事をまとめて、雑多な工事という意味合いで使われます。
具体的には、手すりや棚を取り付ける作業や、郵便受けや表札を取り付ける作業など、大掛かりでないものは雑工事に含まれることが多いでしょう。
また、業者によっては、クリーニングやシロアリ防除の作業などを、雑工事として見積もりに記載していることがあります

出精値引き

出精値引きとは、内装業者が企業努力としておこなう値引きのことです。
本見積もり時に、合計金額が依頼者の予算をギリギリ上回ってしまったようなとき、出精値引きによって端数を切り捨てて予算内に収めることがあります。
依頼者との信頼関係構築や契約獲得を目指しておこなわれるため、工事の品質が損なわれないのが特徴です。
出精値引きで値引きされる金額は、企業や案件などによって幅があります。

 

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内装工事の見積もりをチェックするまでの流れ

実際に内装工事の見積もりを取って確認するまでの流れとは
ここでは、内装工事の見積もりを取り、チェックするまでの具体的な流れについて見ていきましょう。
見積もりをチェックするまでには、4つの工程を踏む必要があります。

内装業者の選定、問い合わせ

見積もりを取る前に、内装業者を選定する必要があります
希望通りの内装を実現してくれそうか、予算内で施工してくれそうかなど、期待できる度合いは業者によって違いがあるためです。
ホームページに掲載されている内装の写真や、施工事例、参考価格などをチェックし、期待できそうであれば問い合わせへと進みます。
なお、設計から施工まで一貫する会社と、施工専門の会社、設計専門の会社など分かれています。
施工専門の会社には設計を依頼できないといったことがあるため、業者の種類も把握しておくと良いでしょう

ヒアリングや現地調査

内装業者に問い合わせると、担当者と予定を合わせ、ヒアリングや物件の現地調査などを進めることになります
ヒアリングでは、希望する内装のイメージや予算、予定している期間など、詳細に伝えましょう。
それにより、現地調査の精度が高まり、概算見積もりの内容も正確なものに近付きます
その後、業者の現地調査に立ち会い、物件の水道や電気、ガスといった設備、既存の内装の状態などを一緒に確認していきます。

初回提案

ヒアリングと現地調査を踏まえ、業者から初回提案がおこなわれます
業者によりますが、初回提案では、ヒアリングで伝えた内装を反映させた平面レイアウト(平面図)や、イメージプランボード(イメージ図)などを見せてもらえるでしょう。
さらに、内装に使う素材のサンプルや、内装工事をする場合のスケジュール、概算見積もりなども提示されるはずです。
初回提案へ進むまでには、2~3週間ほど時間がかかるため、その間に、内装工事の相場について調べておくと良いでしょう

各見積もりのチェック

まずは、概算見積もりの見積もり金額を見て、妥当性を判断しましょう
各工事の細かな相場がわからなくても、内装工事の相場から逸脱しているかどうかは簡単にわかります。
内装工事の相場は、坪単価30~50万円が一般的といわれるためです。
そのため、内装工事をおこなう坪数さえわかっていれば、かなり大まかではあるものの、金額が妥当かどうかはわかります。

次に確かめるのが、工事の内容です。
上述した見積もりの項目と照らし合わせれば、「木工事〇万円と書かれていますが、どこの木工事でしょうか?」「おそらく、〇〇工事が入っていないと思うのですが…」のように聞いて、確かめることができます。
そして、説明された金額や工事の内容に納得できる、担当者の対応が信頼できるなど、良い内装業者だと感じられたら、契約に向けて話を進めましょう。
打ち合わせを重ねると、契約前には本見積もりが提示されます。
本見積もりも概算見積もりと同様に、金額が妥当であり予算内に収まるか、工事が過不足なく含まれているかなどをチェックしてください。

内装業者に依頼するときのポイント5つ

内装業者に見積もりや内装工事を依頼するときのコツとは
内装業者に、見積もりや内装工事を依頼する際、押さえておきたいことがいくつかあります。
ここでは、主なポイントを5つ見ていきましょう。

見積もりに労力をかける内装業者に依頼する

まず押さえておきたいポイントが、見積もりに労力をかけている内装業者を選ぶことです。
本見積もりで金額が大きく変わる概算見積もりでは、見積もりとしてはあまり意味がありません。
相見積もりを取って比較しても、実際におこなう工事の内容や、かかる費用などが見えてこないためです。
そのため、「概算見積もりもしっかり作成する」、「正確な概算見積もりをお出しできるよう、〇〇という努力をしている」など、概算見積もりに力を入れていることをアピールしている内装業者を選ぶと良いでしょう。
そして、実際に概算見積もりを見て、詳細かつ具体的な記載されていることを確かめてから信用するのがおすすめです。

期間に余裕があるうちに依頼する

見積もりの依頼はもちろん、内装工事の契約も、期間に余裕があるうちに、スピード感を持っておこなうと良いでしょう。
依頼して概算見積もりが出されるまでには、2~3週間を必要とするためです。
内装業者の選定から、内装工事が完了するまでという全体で考えると、数ヶ月の時間がかかることがあります。
また、打ち合わせが長引いて、なかなか内装工事に進めないという事態もあり得ます。
店舗のオープンやオフィスの移転など、予定に間に合わせるためにも、早めに動くことが大切です。

決まった事柄は文書として保管する

内装工事に関して決まった事柄は、文書に残して保管する意識を持ちましょう
後から「聞いていなかった」、「認識が違っていた」というトラブルを防ぐためです。
例えば、内装材や塗装の色、内装のデザイン、購入する設備や、工期、支払い条件など、重要事項は多々あります。
これらは、口頭で確認するだけでなく文書として残し、メールで担当者に共有しておくと安心です。
近年は、文字起こし機能を備えたツールがあるため、打ち合わせの際に活用してみても良いでしょう。

疑問はそのままにせず、質問する意識を持つ

初回提案や打ち合わせの際、見積もりに不明点があれば、質問してみてください
例えば、見積もり上では、「造作工事一式」のように簡略化して記載されることがあります。
簡略化されていると、その中に軽鉄工事やボード工事が含まれるのか、各工事にどの程度の費用がかかっているのかなど、詳細がわかりません。
工事の内容や費用などを質問することで、不要な工事が入ったり、必要な工事が除かれたりという行き違いを防ぐことが可能です。
また、どのメーカーの内装材を使うのか、追加工事の可能性はあるかといったことも、聞いておくと、より安心できるでしょう。
予算が厳しい場合、予算内で何割ほど理想の内装に近付けるかなど、ざっくりとした質問でも構わないので、疑問があれば質問する姿勢が大切です。

見積もりが有料の内装業者に注意する

業界の傾向として、基本的に見積もりは無料ですが、稀に見積もりを有料としている内装業者もいるため注意が必要です。
本見積もりは、人員と労力を割いて、複数回の打ち合わせと細かな現地調査をおこなう必要があります。
そのため、内装業者によっては、かかった労力や費用を回収したいと思い、本見積もりを有料としています。
予定外の出費につながらないように、内装業者のホームページで、見積もりが無料か有料か確認すると良いでしょう。
また、本見積もりを依頼する前には、担当者に本見積もりが有料かどうか聞いておくと安心できます。

内装工事の見積もりでお悩みの方はTOMITA株式会社にご相談ください

内装工事の見積もりで悩んでいる方は、ぜひTOMITA株式会社へ
この記事では、内装工事の見積もりに記載される内容の意味や、見積もりをチェックするまでの流れ、内装業者に依頼する際のポイントなど、詳しくご紹介しました。
見積もりには、さまざまな情報が詰まっているため、その項目の意味について知ることが大切です。
知識があれば、必要な工事を欠いていたり、逆に不要な工事が入っていたり、杜撰な内装業者に当たったりという事態を防ぎやすくなります。
見積もりを取った際は、上記を辞書代わりに、記載されている工事項目がどのような意味を持つのか、確認してみてください。

TOMITA株式会社は、広く内装工事を取り扱っており、概算見積もりには本見積もりと同様の労力をかけて金額を出しています
見積もりの作成は、さまざまな業者が関わるため、確かにコストや時間がかかる作業です。
しかし、本見積もりと差異が少ないことが、依頼してくださるお客様の満足につながると考えています。
また、TOMITA株式会社は、不動産また飲食業、美容業などの運営にも携わっておりますので、さまざまな視点からご提案が可能です。
概算見積もりを含む初回提案までは無料で承っていますので、お客様ご自身でなかなか内装計画が進まない段階でも、ぜひ一度ご相談ください。

 

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