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2025/10/29

オフィス移転を伴う内装工事の流れとは?ポイントや費用の抑え方まで解説【事例付き】

オフィス移転に伴う内装工事はどのような流れで進める?流れと押さえるべきポイント

企業が成長すると、従業員が増えてオフィスが手狭になり、オフィス移転の必要性が生じます。
しかし、オフィス移転や内装工事が初めてで、どのような流れで進めれば良いか分からないという方は多いでしょう。
オフィス移転で失敗して、新たな問題を抱えないためにも、流れやポイントを押さえて進める必要があります。
この記事では、オフィス移転を伴う内装工事の具体的な流れや、内装工事で成功を収めるためのポイント、費用の抑え方など、詳しく解説します。

 

目次

    1. 内装工事の内容と内訳
    2. オフィス移転前に確認すべき「工事区分」とは?
    3. オフィス移転に伴う内装工事の流れとは?
    4. オフィス移転にかかる工期の目安
    5. オフィス移転と内装工事を成功させるためのポイント
    6. オフィス移転で内装工事の費用を抑えるには?
    7. TOMITA株式会社のオフィス移転事例
    8. オフィスの移転に伴う内装工事は、TOMITA株式会社にご相談ください

 

内装工事の内容と内訳

オフィスの内装工事はどのような内容?その内訳
まず押さえておきたいのが、内装工事とは内装に関わる工事全般の総称で、その中にはさまざまな工事が含まれていることです。
オフィス移転時におこなわれる、内装工事の主な内容と内訳は下記の通りです。

1.建築工事

(右記の工事の総称)

仮設工事 足場の設置や養生をおこなう工事
軽鉄工事 軽量の鉄骨(LGS)を使って、内壁や天井の骨組みを設置する工事
ボード工事 軽鉄工事を施した箇所に、石膏ボードやパテなどを使って下地を設置する工事
塗装工事 外壁や内壁、屋根や床など、塗装を施す工事
パーテーション工事(間仕切工事) パーテーションの設置に関する工事
建具工事 ドアや窓など、建具の設置に関する工事
内装仕上げ工事 床や壁、天井など、内装を仕上げる工事
造作家具工事 オーダーメイド家具の設計や設置に関する工事
2.電気工事・電気設備工事 配線工事、分電盤工事、照明やコンセントなど電気設備に関する工事
3.空調設備工事 換気扇やエアコンなど空調設備に関する工事
4.衛生設備工事・給排水設備工事 配管やポンプ、トイレや浄化槽など、衛生や給排水に関わる設備の工事
5.防災設備工事・消防設備工事 スプリンクラーや自動火災報知設備など、防災や消防に関する設備の工事
6.弱電(電話・LAN)工事 電話線やLANケーブルなど弱電設備の設置工事
7.セキュリティ工事 防犯カメラや入退室管理システムなど、セキュリティに関する設置工事
8.サイン設置工事 看板やロゴなどを設置する工事

オフィス移転前に確認すべき「工事区分」とは?

オフィス移転をおこなう前に覚えておくべき工事区分について
オフィス移転の前後に関わる、工事区分についても知っておきましょう。
工事区分とは、工事の領域を決める区分のことで、A工事、B工事、C工事の3つがあります

 

工事区分 領域 対象
A工事 オーナーの領域。施工業者をオーナーが決め、オーナーが施工費用を支払う 主に建物の外壁や、エレベーターのような共用設備、トイレや屋上など共用部分
B工事 オーナーの領域。施工業者をオーナーが決め、テナントが施工費用を支払う テナントの専有部分であるものの、防災設備や配電盤、給排水管など、工事をすると建物全体に影響がある箇所
C工事 テナントの領域。施工業者をテナントが決め、テナントが施工費用を支払う テナントの専有部分であり、工事をしても建物全体に影響がない箇所

オフィスの移転先での内装工事も、現在のオフィスへの原状回復工事も、オーナーの領域に当たる部分については自由に工事ができません
ただし、B工事については、許可を得ることで、工事をできる場合があります。
また、「C工事の対象箇所だと思っていたら、B工事の対象箇所だった」というトラブルもあり得ます。
そのため、必ず「工事区分表」を確認してから内装工事に臨む必要があるのです。

 

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オフィス移転に伴う内装工事の流れとは?

オフィス移転を伴う内装工事の具体的な流れ7ステップ
では、オフィス移転の際、内装工事はどのような流れで進められるのでしょうか。
ここでは、オフィス移転の主な流れを、7ステップに分けてご紹介します。

1.内装工事の目的や予算など必要事項を定める

まずは、オフィス移転の目的や予算、スケジュールや担当者など、必要事項を決めていきましょう
特に重要なのは、「オフィス移転をなぜおこなうのか」という、移転目的の明確化です。
漠然とオフィス移転をすると、業務効率が下がったり、従業員の意欲が低下したりといったことが起こり得ます。
また、オフィス内装がおしゃれにならず、取引先から良い印象を得られないこともあるかもしれません。
そのため、現在抱えている課題を、従業員へのヒアリングやアンケートなどで洗い出し、業務拡大や働き方改革、企業イメージの向上など、明確な目的を定めることが大切です。

それと並行して、「いつまでにオフィス移転を完了させるか」というスケジュールを立てていきます
スケジュールを立てるために、まずは解約予告をいつまでにおこなえば良いか、ビルの契約内容の確認をおこないます。
さらに、効率的に進めるため、オフィス移転のプロジェクトチームを立ち上げて、担当者とその役割についても決めていきましょう。

2.移転先のオフィスと内装業者の選定

つぎに、移転先のオフィスと、内装業者の選定をおこないます
移転先のオフィスは、立地の良さや面積、テナント料など、条件に合致するところを効率良くピックアップしていきましょう。
内装工事の費用と内容に関わるため、スケルトン物件なのか居抜き物件なのかという部分も大切です。
居抜き物件であれば、どれだけ必要な設備が揃っているかという点も見ると良いでしょう。
また、実際に内覧して、入っている他のテナントやセキュリティ、アクセスの良さ、可能であれば工事区分表まで確認します。
この段階で契約まで進み、解約予告の手続きまで進めておくとスムーズです。

内装業者は、オフィスを手掛けた経験が豊富な内装業者を選定すると良いでしょう。
経験の豊富さは施工実績から判断でき、その中からコンセプト通りに仕上げてくれそう、予算内で仕上げられそうなど、良いと思える内装業者から選びます。
また、内装は、設計と施工を分けて依頼することもできますが、オフィス移転に不慣れな場合はワンストップの設計施工会社に依頼するのがおすすめです。

3.オフィスの内装デザインやレイアウトの設計をおこなう

この段階で、内装のデザイン、レイアウトなどを具体的に決めていきます
ただし、建築基準法や消防法などの法律が関わるため、内装の専門家でないと細かな部分までは決められません。
そのため、移転先のオフィスが決まっているのであれば、内装業者に現地調査を依頼し、相談へと進むのがおすすめです。
移転先が決まっていない場合も相談は可能なので、移転先のオフィスに迷っているのであれば契約前に相談に進みましょう。

現地調査後はヒアリングがされるので、内装のデザインやレイアウトに影響がある、オフィス移転の目的や、内装のコンセプトや予算などを伝えます
他にも、業種やコーポレートカラー、企業理念、従業員数なども、細かく伝えると良いでしょう。
それにより、内装業者の提案内容や見積もりの金額などが、より正確になります。
相談する際は、内装デザインやレイアウトの案を用意しておくとスムーズです。
「〇〇のようなデザインを取り入れたい」、「設備はこれを使いたい」など、具体的な内容であるほど良いため、場合によっては写真や画像なども用意しましょう。

4.内装業者と契約、具体的な工事計画の策定

内装業者への相談後、2~3週間もすれば、現地調査や相談内容を踏まえた初回の提案がおこなわれます
初回の提案では、内装デザインの例やレイアウトの設計図、概算見積もり、スケジュールなどの資料を出してもらえます。
担当者との相性も含めて確認し、この内装業者であれば大丈夫そうだと納得できた場合は、契約へと進みましょう
その後は、初回の提案をもとに、担当者とより具体的な工事計画を練って、内装のデザインやレイアウトなどを度々打ち合わせて調整していきます。

5.内装工事の開始、工程管理や移転準備

移転先のオフィスで内装工事が開始されるため、プロジェクトチームの担当者は、工程管理をおこないます
工程管理とは、工期が後ろ倒しになって業務に支障が出ないように内装業者と連携を図り、スケジュール通り進行しているか都度確認する業務のことです。
それ以外のプロジェクトチームの担当者は、移転準備として下記を分担しておこないましょう

  • ・引っ越し業者への問い合わせ、手配
  • ・原状回復工事をおこなう業者の選定
  • ・社内広報、説明会
  • ・オフィス移転マニュアルの作成
  • ・印刷物やホームページの住所修正の準備
  • ・官公庁への届出や手続きの準備

6.引き渡し、オフィスの移転作業

内装工事が完了したら、工事の内容に不備がないか、内装業者と共に徹底的に最終チェックをおこなってから引き渡しです。
工事中も度々確認を取っていたはずですが、最終確認をすることにより、認識の相違やトラブルを防げます。
オフィスが引き渡され、移転日を迎えたら、移転マニュアルにもとづいて各部署やプロジェクトチームの担当者が行動しなければなりません。
引っ越し業者と協力しながら荷物の搬出入作業をおこない、移転先のオフィスではPCやデスクなどを設置していきます。
その際には、インターネットや電話などの通信環境も含め、問題なくオフィスが稼働できるかというところまで確認します

7.原状回復工事、オフィス移転の届け出や手続きなど残務処理

オーナーと諸々の確認を済ませ、旧オフィスの原状回復工事をおこないます
原状回復工事は、テナントとして、オフィスを退去する際には必ずおこなう工事です。
設置していたパーテーションや照明、張り替えた床材や壁材などを取り外し、入居前と全く同じ状態に戻す必要があります。

オフィス移転完了後は、官公庁への届出、手続きなどの残務処理をおこないましょう
社会保険事務所へ届け出る「社会保険適用事業所名称所在地変更届」のように、移転完了後5日以内に届出が必要なものもあるため、注意が必要です。
また、名刺やチラシなどの印刷物や、ホームページの記載住所を切り替えたり、お知らせを出したり、取引先に案内したりする必要もあります。
場合によってはインターネット接続に不具合が発生して直したり、従業員から要望で配置の微調整をしたりといったこともあるかもしれません。
残っているタスクを整理し、スムーズに残務処理を終わらせましょう。

 

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オフィス移転にかかる工期の目安

オフィス移転が完了するまでの工期とは
オフィス移転が完了するまでにかかる期間は、約6ヶ月が目安です。
約6ヶ月とは、オフィス移転の目的明確化という準備期間から、原状回復工事を終えて旧オフィスを引き渡すまでの想定した目安の期間です。
内装工事自体は、3~4ヶ月を見込んでおくと良いでしょう。
ただし、オフィスの規模や、内装工事の内容によっても、工期が変わる点に注意が必要です。
例えば、何もない状態から工事を始めるスケルトン物件では、内装工事自体に3~4ヶ月を要することがあります。
一方で、設備をいくらか再利用できる居抜き物件であれば、内装工事そのものは1~2ヶ月で終えられることもあります。
内装業者が忙しい時期であれば、居抜き物件でも時間がかかるため、余裕を持って約6ヶ月と捉えておくのがおすすめです。

オフィス移転と内装工事を成功させるためのポイント

オフィス移転も内装工事も!両方成功させるコツ
オフィス移転や内装工事そのもので成功を収めたければ、さまざまなポイントを押さえましょう。
ここでは、主なポイントについて、5つ見ていきます。

コンセプト作りをしっかりおこなう

特にしっかりおこないたいのが、内装のコンセプト作りです。
内装のコンセプトができあがっていないと、無難なオフィスや、全体的に統一感を欠いたオフィスになってしまうためです。
その企業らしい魅力を感じられなかったり、業務効率が落ちたり、取引先の好印象につながらなかったりというリスクもあります。
上述の通り、オフィス移転は、ただ従業員が増えたからおこなうのではなく、抱えている課題の解決や、掲げている目標を達成するためにもおこなうものです。
そのために、どのようなコンセプトにすべきか、内装業者とも話し合いながらしっかり決めていく必要があります

各スペースに応じた内装にする

内装は、各スペースに相応しいものにすることが大切です。
具体的には、下記を参考にしてみてください。

  • ・執務スペース…業務効率を高めるデザイン、レイアウト、広さ
  • ・休憩スペース…リラックス・リフレッシュに向きのデザイン、設備
  • ・会議スペース…人数や用途に応じて、防音性や開放感などを備えた内装

執務スペースは、業務集中を促す色彩を用いたり、企業の所属を意識づけるコーポレートカラーを採用したりした内装が定番です。
さらに、コミュニケーションの取りやすさや、移動のスムーズさを考えたレイアウトや広さを備え、機密情報が漏れにくい座席配置にしましょう。
休憩スペースは、従業員のリラックスやリフレッシュを促すため、執務スペースとは異なる内装にするのがおすすめです。
例えば、カフェや公園などをイメージしたデザインで、座って飲み物を楽しめるような設備があると、リラックスやリフレッシュを促せます。
会議スペースは、参加する人数に応じた広さが必要です。
また、取引先や複数の部署が使うのであれば、防音性があると良いですが、近年はガラスのパーテーションで区切る開放的な会議スペースも人気があります

オフィスのレイアウトの作り方について、詳しくは「【施工事例付】オフィスレイアウトの作り方。おしゃれさと実用性を高めるポイント」のコラムも参考にしてみてください。

オフィスの内装に詳しい内装業者に依頼する

オフィスの内装に詳しい内装業者に依頼するのが成功のカギです。
オフィスの内装は法律も関わるため、どれだけおしゃれでも、法律に合致していなければ意味がありません
業務効率や従業員のモチベーション向上など、オフィス移転で解決すべき課題にも関わるため、オフィスの内装に詳しい内装業者に任せる必要があります。
また、オフィス移転を何度も経験した方が総務部にいれば良いですが、企業によってはそうとは限りません。
そのようなとき、オフィス内装に詳しい内装業者であれば、相談役としても頼ることができます。

見積書をしっかり確認する

内装工事で良い結果を収めるためにも、見積書の内容はしっかり確認しましょう
上述の通り、内装工事は、建築工事や電気工事などに細かく分かれているためです。
その内訳と金額がはっきりしていないということは、工事の内容もそれだけ曖昧ということです。
安く見えても、実際に内装工事を依頼すると、多大な追加工事費が発生する…といった事態になり得ます。
また、工事区分が曖昧なまま工事に入ると、トラブルのもとになります。
工事区分はA工事、B工事、C工事と分かれており、A工事はオーナーの領域であり、オーナーの支払いです。
A工事に該当する工事がB工事として扱われ、テナント側が支払わされるケースもあるため、注意が必要です。

工程管理をおろそかにしない

工程管理をおろそかにしないことも、オフィス移転を成功に導くポイントです。
現在のオフィスは解約予告を出し、その日までに退去しなければなりません。
万が一解約日までにオフィス移転が完了していないと、テナント料や違約金が発生するリスクがあります
予定している日程に引っ越し作業ができない場合も、引っ越し業者に違約金を支払うリスクがあります。
それを防ぐために、余裕を持ってスケジュールを組み、内装業者も、施工管理という職務に当たる人がスケジュールを管理しているはずです。
それでも、常にスケジュール通りに進むとは限らず、後ろ倒しになることはあり得ます。
そうならないように、工程管理をおこなう担当者をオフィス移転のプロジェクトチームに必ず置き、進捗を確認する必要があるのです。
オフィス移転の届け出や手続きなどの残務処理も、遅れると登記懈怠(とうきけたい)と見なされ、過料の罰則を課せられることがあるため、迅速に進めましょう。

オフィス移転で内装工事の費用を抑えるには?

費用がかかりがちなオフィス移転と内装工事。節約のポイント
オフィス移転には多くの費用がかかるため、内装工事の費用を抑えたい方は多いでしょう。
ここでは、内装工事の費用を抑えるためのポイントについて見ていきます。

予算をかける箇所を絞る

優先度を考慮して、費用をかける箇所を絞ると節約できます

  • ・高価な内装や設備は一部に限定する
  • ・高級素材を、似た質感を持つ安価な素材に切り替える
  • ・レイアウトを工夫する

例えば、高価な内装や設備は、会議室やトイレ、応接室のように、取引先やお客様がよく見る場所、よく使う場所に限定すると良いでしょう。
素材も、必ずしも高級素材が正解とは限りません。
似た質感を持つ安価な素材で代用できる場合は、積極的に代用するのがおすすめです。
また、パーテーションを用いて完全な個室にすると、空調設備や消防設備などが必要になることがあります。
会議室を個室にしたいという企業は多いですが、空調設備や消防設備の設置や、防音性を高める設備にも費用がかかります。
そのため、「どうしても会議の内容が外に漏れてほしくない」という場合を除き、完全に個室にするのは避けると良いでしょう。

余裕を持った工期を設定する

費用を節約したければ、余裕を持ったスケジュールを組むことが大切です。
スケジュールが詰まっていると、余計な人件費がかかることがあるためです。
例えば、2人で10日かけておこなう作業があったとき、4人なら5日で終わるかというとそうではありません。
実際には、5~6人、あるいはそれ以上の人数で、5日に間に合わせる必要があります。
作業時間も、すべての時間を使えるわけではありません。
日中の作業が制限されることも、騒音やニオイが発生する作業や搬入作業は、土日祝日に限られることもあります。
石膏ボードや塗装などは固まるまで待たなければならず、時間の調整が必要です。
そのため、短時間で作業を終わらせようとすれば、場合によっては、夜間という割高な時間帯に作業をしてもらうこともあります。
余計な人件費がかかってしまうため、スケジュールは余裕を持つようにしましょう

スケルトン物件ではなく居抜き物件から選ぶ

工事費用を抑えたいのであれば、スケルトン物件ではなく居抜き物件から選ぶのもおすすめです。
居抜き物件は、残されている内装や設備を再利用して、その分の費用を抑えやすいためです。
スケルトン物件は自由度が高いですが、壁材や床材などが剥がされており、内装を1から組み立てる分、費用もかかります。
ただし、居抜き物件は、残されている内装や設備と、内装のコンセプトが合っているかを確かめなければなりません。
居抜き物件はスタートアップには向いていますが、オフィス移転が必要なほど大きくなった企業にとっては、最適でないケースもあります
残された内装と実現したい内装のコンセプトが違っていて、床材や壁材を張り替えるといった事態になれば、あまり節約は見込めません。
居抜き物件は、課題解決や目的達成など、オフィス移転で叶えたいことに合致しているかどうかで選ぶと良いでしょう。

なお、居抜き物件の中には、残された内装を使用するために「内装譲渡(造作譲渡)」が必要な物件があります。
内装譲渡によって、残された内装の所有権を譲り受けることができますが、別途「内装代(造作譲渡料)」がかかります。
そのため、居抜き物件だからといって、必ずしも安いとは限らない点に注意が必要です。

シンプルデザインも視野に入れる

節約したい場合は、できる限りシンプルデザインも検討しましょう
複雑なデザインは、人件費や材料費など、費用がかかりがちなためです。
確かに、企業のシンボルとして使いたい、取引先やお客様に好印象を持ってもらいたいなどの理由から、芸術的で複雑なデザインを求める企業も少なくありません。
しかし、複雑な形状に加工するために人手が必要だったり、質感を出すために高級な素材を用いたりと、費用がかかってしまうことがあります。
また、一つ複雑なデザインを用いると、バランスを取るために、オフィス全体に類似したデザインや素材を散りばめなくてはならないこともあり得ます
そのため、費用を抑えたいのであれば、実現可能な範囲を考えて、シンプルなデザインも検討するのがおすすめです。

 

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TOMITA株式会社のオフィス移転事例

ここでは、TOMITA株式会社が手掛けた、オフィス移転の事例をご紹介します。

TOMITA株式会社 ― 自社事務所改装に込めたつなぐ力

再構築されたオフィスの一部
名古屋を拠点に商業空間の設計施工を手掛けるTOMITA株式会社は、2023年、自社事務所の一部を改装し、新たなクリエイティブ拠点として再構築しました。
きっかけとなったのは、コロナ禍での受注減少と、建築・デザイン業界を取り巻く働き方の変化です。

「働く場」「つながる場」へのニーズ

当社はこれまで、飲食店や美容室、オフィスなど幅広い空間づくりをおこなってきました。
しかし、2020年以降のコロナ禍で、内装需要が大きく落ち込み、2021年には売上が前期比で約4割減少しました。
同時に、社内外のデザイナーが独立や転職を通じてフリーランスとして活動を始める姿も増え、「働く場」「つながる場」へのニーズを強く感じるようになりました
こうした環境の変化を踏まえ、「内装請負だけに依存しない、新しい価値を創る場所を自らの手で」という思いから、自社事務所のリノベーションが始まりました。

「働く場」「つながる場」を形成するため、改装後の事務所には、3つの新しい機能が備わっています

1つ目は、建築デザイナー向けコワーキング&イベントスペース「ハニカム」です。
若い建築家やデザイナー、創業希望者が集まり、学びや交流を深められる空間として設計されています。

2つ目は、フリーランス建築士とリノベーション希望者をつなぐ「ハニカムリノベーション」です。
退職後のデザイナーや独立希望者が、TOMITAの施工力・信用力を背景に案件を受注できる仕組みです。

3つ目は、ユニット型飲食店舗設備「KOYA」のショールーム化です。
小規模飲食店の開業支援を目的に、実際の機器・空間を体験できるスペースを常設しました。

「共創」をテーマにした空間設計

セミナーの様子
今回の改装では、単なる機能転換ではなく「共創」をテーマに空間設計をおこないました
商談エリアやイベントスペースをガラス扉で柔軟に仕切れる構造とし、デザイン業界の利用者が刺激を受けるよう、素材や照明にも徹底的にこだわっています。
外観も上質なサロンやカフェのような印象に仕上げ、街に開かれたデザイン事務所としての存在感を高めました。

立地は名古屋市中区新栄で、周辺には名古屋大学・名古屋工業大学があり、若い建築系人材との交流にも適した環境です。
日々の利用だけでなく、トークイベントや展示会、創業セミナーなどを定期的に開催し、建築・デザイン・地域が交差する「ハブ」としての役割を担います

改装プロジェクトに込められたTOMITAの想い

改装プロジェクトの背景には、「働く人の成長と関係性を長く続ける」というTOMITAの想いがあります。
具体的には、従業員が独立しても関係を絶やさず、共に案件を生み出していける仕組みを作ることです
それが、会社の持続性を高め、地域のクリエイティブシーンを豊かにする一歩になると考えています。

すべては一歩踏み出す勇気から始まりかたちになる。0から無限大へ。
創業時から変わらない理念のもと、TOMITAはこれからも「空間づくりを通じて人と人をつなぐ会社」として、新たな挑戦を続けていきます。

TOMITA株式会社事務所改装工事については、こちらからご確認ください。

オフィスの移転に伴う内装工事は、TOMITA株式会社にご相談ください

この記事では、オフィス移転の前提知識から始め、オフィス移転を伴う内装工事の流れやポイント、費用を抑えるコツなどについて詳しく解説しました。
オフィス移転は、企業の成長に合わせておこなわれます。
その成長を妨げないためにも、オフィス移転や内装づくりは、流れやポイントを押さえておこなってみてください
TOMITA株式会社は、オフィスの内装をいくつも手掛けた実績がある内装業者です。
オフィス移転の流れが掴めておらず、何をすれば良いか分からないという方にも、寄り添って相談に乗ることができます
オフィスの移転でお困りの方は、ぜひ一度TOMITA株式会社にご相談ください。

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